Thursday, January 31, 2013

Kohama MgFC 技術

マグネシウム燃料電池、難燃性マグネシウム合金をアノードに使用」の「Kohama MgFC 技術」を書き直しました。
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Kohama MgFCの技術の大きな概念は次のようだ。
1.マグネシウム燃料電池において、負極材がアルミニウム及びカルシウムを含有するマグネシウム合金で構成される、そして電解液には負極材からマグネシウムイオンが溶出する。 (←Claim 1)
2.マグネシウム合金に含まれるアルミニウムは3重量%以上9重量%以下の範囲である。
カルシウムは1重量%以上3重量%以下の範囲である。 (←claim 2)
3.使用する電解液は、塩化ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び過炭酸ナトリウム水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1つである。 (Claim 3)

このような組成を持つマグネシウム合金は少なくとも次の特徴を持っている。
特徴―1:Kohama MgFCは自己放電の問題を解決した、
5種類のサンプル(様々な組成のマグネシウム合金)を18重量%塩水に浸漬させた後、その重量の減少量を測定した。
Alを6重量%、Caを2重量含むマグネシウム合金(サンプル1)については、塩水中でほとんど溶解しなかった。
実験結果より、サンプル1を電池の負極材として用いることによって、塩水中での負極材の自己放電を防止できることが判明した。
特徴―2:1) 適当な反応性を有している。2) 燃焼(反応)を抑制する能力を有している。
特徴1) は電池材料に適していることを示している。特徴2) は工業用材料に適していることを示している。
このマグネシウム合金はこのように相反する特性を有している。が、これらが相乗的に働き、電池材料として優れた性能を発揮する。
この特徴を何故持つかの推測:「アルミニウムとカルシウムを含むマグネシウム合金は、通常は金属Mg相(固溶体)と化合物相(Al2Ca)の2相からなる複層組織を持つ。
化合物相が比較的不活性なので、この合金はマクロ的には反応性が低くなる。このことは、経験によって確かめられている。
また、この複相組織が十分に微細な場合は、全体として腐蝕反応(溶解反応)は均一になり、穏やかに進行する。このことも、上記の反応性と反応抑制能に一役買っているものと推測される。
つまり、マグネシウム合金の反応性の高い母相と不活性な第2相による反応抑制が、電池の負極材としての優れた性能に大きく寄与していると考えられる。」
特徴―3:Kohama MgFC のマグネシウム合金からは、理論電気容量の約80%の電気を取り出すことが可能。このことは実験的に確認されている。
純粋なマグネシウムの理論電気容量は、2.2Ah/gである。マグネシウム合金は、マグネシウムを例えば92重量%含んでいる。このマグネシウム合金の電気容量は1.63Ah/g (以下の実験での値) である。このように、マグネシウム合金からは、理論電気容量の約80%の電気を取り出すことができるわけである。高い効率で電気を取り出すことが可能。
以下の実験を行った。
負極材 :Alを6重量%、Caを2重量%含むマグネシウム合金
正極集電体:カーボンフェルト
電解液 :18重量%塩水
実験の結果、負極材(マグネシウム合金)の減少量が0.601gであり、マグネシウム合金1g当たりの電流量が1630mAh/gであり、電力量が476mWh/gであった。
特徴―4:長期間に亘って安定的に電気を取り出すことができる。
マグネシウム燃料電池を作製してモータに電流を流す実験を行った。
負極材 :Alを6重量%、Caを2重量%含むマグネシウム合金
正極集電体:カーボンフェルト
電解液 :18重量%塩水
板状のマグネシウム合金の片面をテープで被覆して、マグネシウム合金の一方の面だけを露出したものを負極材として用いた。
この実験結果より、マグネシウム合金を負極材として用いた場合には、従来のマグネシウム合金を用いた場合よりも、長期間に亘って安定的に電気を取り出すことができることが判明した。
Written based on JPA No. 2012-234799.

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